外壁からの熱貫流

 

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外壁などからの熱貫流を計算します。


定常計算では、

外壁の面積  x  熱貫流率 x 相当外気温度差  =  熱貫流
(相当外気温度差 = SAT - 設計室内温度)
   

相当外気温度(SAT) は、日射量や表面抵抗・外気温度などを考慮した式で算出されます。 

しかし、この式では壁材などを熱が伝わる時間遅れが考慮されていません。

この時間遅れを考慮した計算方法は 、カナダ国立研究所(NRC of Canada)のステファンソンとミタラスにより提案された、壁体の応答係数を用いる方法が一般的です。

 

この計算方法を、非定常応答係数法と呼び、相当外気温度(SAT)に変わり 実効温度差(ETD)が使われるようになりました。

 

外壁の面積  x  熱貫流率 x 実効温度差  =  熱貫流

 

コンピュータによるETDの算出は、パソコンの性能が飛躍的に向上したため、厄介であったこの応答係数が簡単に計算できるようになりました。

AutoACJは、外壁材を登録する時に、応答係数・熱貫流率が自動的に計算され記憶されます。 負荷計算のとき、応答係数が自動的に呼ばれ、実効温度差が算出されます。

 


計算の前準備

相当温度差を計算するには、年間外気温度データが必要です。 デフォルトで数箇所のデータが存在しますが、必要に応じて追加して下さい。

作成方法は、ツールバーの 外気温度データ作成ボタン「年間外気温度ファイル」ボタンで呼び出すか、

ツールバーの 外気温湿度データ作成ボタン年間外気温湿度ファイル自動」ボタンで作成できます。 (「年間外気温湿度ファイル自動」がお勧めです)

 

壁の負荷計算開始

Room Dataの入力が完了していれば、下に示すような、メインビュー左のツリーに、  入力した部屋項目が表示されているはずです。

 

TreeView Green

 

さあ、壁のデータの入力です。

計算する部屋のアイコンをマウスで左クリックすると、その下部に  「Wall」・「Glass」・「Other」  の項目が展開されますので、「Wall」をマウスで左クリックすると、壁のデータ入力用のダイアログが表示されます。

 

WallDlg.jpg

 

以下の注意を参考にデータを入力してください。

 

1) Or(方位)

Orient_Box.jpg

部屋内から向かっての壁の方位です。

スペースキー又はマウス右クリックで ”クイックダイアログ” が現れますので 、これを使うとすばやい入力が出来ます。

 

2) Type(外壁材タイプ)/U値

Typeとは、壁の構造を表した記号です。 事前に登録した記号を入力する必要があります。

事前登録された部材は、Typeのセルをマウス右クリックすると、下図の様なリスト(クイックダイアログ)が現れます。

 

 Quick_Box.jpg

 

計算後でも、以下の 「2a) 壁材などの事前登録」 の方法で、登録されているタイプは変更可能です。 

熱還流率(U)は、Typeを選定した時点で自動的にセットされます。

 

2a) 壁材などの事前登録の方法

ツールバーの UvRigisterButton.bmボタンを押すと下の様なダイアログが表示されます。

更に、右下の「熱貫流詳細計算」のボタンを押すと詳細登録のダイアログが表示されます。 詳細はプログラムの On Line Helpを参照して下さい。

 

UvRigisterDetail.JPG

 

バンドルされている材料は、東南アジアなどで使われているものですが、

日本の省エネ法で規定されている熱貫流値とは大幅に違います。法規を確認のうえ事前に登録して下さい。

 

3) ETD(実効温度差 Equivalent Temperature Difference)

の項目に”A”または”AUTO”を入力することにより、プログラム内で自動的に計算されます。 

壁の事前登録データで、記号の最初の文字が”O**”の時には、プログラムが自動的に”A”を書き込みます。

 

内壁の場合(記号の最初の文字が 「I**」 の時には、自動的に「R」が入力され、(「外気温度」と「室内設定温度」)の差 - (1°C) が入力されます。 もし特定の温度差を入力したい場合は、「R」の代わりに温度を指定して下さい。

 


最終更新日:2020/02/04
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