内部負荷のシミュレーション
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内部負荷の種類には、以下のものがあります。
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照明による負荷
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人間よりの発熱
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室内にある機械負荷
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隙間風による負荷
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必要導入外気量も合わせてこの項目で計算します。
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必要な導入外気による負荷
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強制排気を必要とする機器に対する導入外気負荷
ここにあげた項目は、工場などでは空調負荷の70%にもなる大きなファクタですので注意深く設定する必要があります。
内部負荷は、スキンロード(Sun Load) に比較して、全体に及ぼす影響が大きくなります。
下の図は軽工場の代表的な割合を表すグラフです。
照明器具よりの発熱
一般的には、照度から概算値で決めても差し支えありません。
発熱は顕熱のみです。500~800ルックスの照度(一般事務所相当)では、約20W/床面積平方メートル位です。特殊な用途では、この値を変えて計算できるようにしています。
人間よりの発熱
人間からの発熱は、顕熱と潜熱の2種類があります。作業状態で値が変化しますので別々に設定できるようにしてあります。
空調ハンドブックのデータより補間式をつくり、室温と作業状態より、自動的に発熱量を試算する様にしてありますが、 特定の値はマニュアルで入力することも出来ます。時間帯でも人員が変化しますので、時間ごとを%で設定出来るようにしています。
機械よりの発熱
工場の空調負荷の中で最も大きい発熱です。 通常は顕熱だけを考慮すれば良いと思います。
室内にある電動機器は、その仕事が室外に及ぼす場合以外は、基本的に電気入力が全て熱負荷になります。
ポンプなどの配管が外部に接続している場合は、電動機の損失と配管よりの放熱が室内負荷に変わりますが、 室内で完結しているシステムでは、全てが熱負荷に変わります。通常これらを考慮して総合負荷率(D.F)で換算します。
汎用性を持たせたいため、データは以下の方法で入力出来るようにしています。
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機械電気接続の合計容量を入力し、その総合負荷率を設定する。
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床面積あたりの平均電気接続量を入力し、その総合負荷率を設定する。
電気負荷の容量は、さまざまな単位であらわされている。 たとえば、電圧と電流と単相と3相・入力単位のKVAなどです。
この換算には、Excelなどで下図の様な表を作っておくと便利です。(このリンクで詳細が見れます)
ここで算出された、TotalのkWの値を、機械電気接続の容量に代入しい、総合負荷率にTotalのD.F(demand factor)を代入してください。
電気以外の動力を使用する機械は、発熱量を電気出力に換算して入力して下さい。
時間帯でも稼働率が変化しますので、時間ごとの稼働率を%で設定出来るようにしています。
いろいろと状態を変化させシミュレーションをしてみれば最適な状況が想定できます。
隙間風による負荷
窓の隙間やドアの開閉により侵入してくる外気は、内部負荷として計算します。
冷房負荷計算では、あまり考慮されない値ですが、玄関ロビーなどは考慮したほうが良いと思います。
特定の開口から、温度差による対流ロスも、詳細に計算し反映できるような機能を備えています。
必要導入外気量
外気の導入は、いろいろの状況が想定されます。
内部に設置される機械で、排気を必要とする機械は、これに見合った外気を空調機で取り入れる必要があります。
人間のための必要外気量(通常法規で規定されている)は、空調機部分で取り入れることになります。
日本では人間一人当たり”20m3/h”程ですが、シンガポールなどは床面積当たり1.8m3/hが一般的です。
これらの大きい方を、外気負荷として計算します。
負荷計算結果では全熱量として表示する様に しています。 また、最大負荷時の外気温湿度を表示します。
最終更新日:2020/02/04
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