空調機の自動選定シミュレーション

 

 

空調設備設計では、絶対正しいという設計はありません。


選定できるシステムは無数に存在するのです。勿論いろいろな条件を決めておけばある程度システムは絞り込めますが。

 

負荷計算がおおよそ完了した段階で、空気線図を使い可能なシステムのシミュレーションが重要です。マニュアルでシミュレーションをするのは時間が掛かり生産性は上がりません。

 

そこで思いついたのが、負荷計算のデータを即 空気線図に転送し、代表的な選定を行うことです。

転送するデータは、 「顕熱・潜熱・対象部屋の床面積・天井高・設計温湿度・設計外気温湿度・顕熱比」などです。

これらのデータをもとに、用途より「代表的なシステムの選定・最低換気回数・吹き出し下限温度」などをセットしてシミュレーションします。

 

 

シミュレーション開始

特定の部屋の負荷計算を完了したら、左ツリービューの部屋のアイコンがグリーンに変わります。

 

ここでツールバーの   ボタンを押せば開始です。下の様なダイアログが表示されます。

 

 

大気圧は、標準で1013.25mmbですが設定変更可能です。

空調機のコイルコンタクトファクタを設定します。(デフォルトでは、0.95)

必要最低換気回数を設定します。(通常の事務所などでは6回以上、天井の高い部屋ではそれ以下、特殊なクリーンルームなどでは、30回以上などと設定できます) 。

 

最低吹出し温度は、結露がないような温度を設定してください。

システムの選定は、以下の代表的なシミュレーションが出来ます。

 

● 単純冷却サイクル(Simple Cooling)

単純な最大負荷によるシミュレーションです。

● コイルバイパス(Cooling with F&B)

負荷計算で算出された最大・最低負荷を満足させるシステムですが、

コイルバイパスを取り入れる場合です。

● 2次サイクル(Secondary Cycle)

クリーンルームのように、2次サイクルを選定する時などに該当します

 

ダイアログ右の負荷計算されたリストを、マウス左クリックで部屋名を選定し OKボタンを押せば空気線図が現れます。空気線図の右上 「Auto Calc」 ボタンを押せば、空気線図上に状態点が現れます。

 

設定した条件が合わない時や、再熱が必要な時には自動的にメッセージが現れますので、何度でもやり直してください。

視覚的に表示されることでシステムの欠点や問題点が瞬時につかめます。

 

 

問題点があれば、負荷計算に戻り条件の再設定などし、すばやく再検討が出来ます。

空気線図の 「完了」 ボタンを押せば、空気線図のポイントデータをファイルに落とすかどうかのメッセージが出ますが 通常は、ファイルに落とさなくてもいいでしょう。

 

線図を閉じると、シミュレーションした結果がメインビューに表示されます。結果には、重要な項目が多く表示されます。

システムの必要送風量・送風温度・バイパス空気量・再熱量・予想送風温度・外気量・その他空調機の容量などなどです。

この結果は、印字出来ますので必要に応じ印字保存してください。

 

空調機選定での重要な項目をまとめてみます。このリンクを参照ください。

 


最終更新日:2020/02/04
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