日射計算詳細(2)
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法線面直達日射量
以下(Bouguerの式)で計算する。
日射の来る方向に垂直な平面に関する日射を法線面日射と言います。
直達日射の強さは大気層を通過するにつれて散乱、吸収をうけて減少しその減少量は大気中における日射の透過経路中に含まれる空気の質量と日射の強さとの双方に比例するものと考えられ ています。
Jn = Jn0 x Pm 式A-1
Jn
: 法線面直達日射量
[MJ / m2h]
Jn0
: 大気外日射量
[MJ / m2h]
P
: 大気透過率
m
: 大気質量
大気質量は、太陽光が地表に到達するまでの空気抵抗で、太陽が天頂にあるとき以下の式で表されます。
m = η x mo 式A-2
η = (1 - Z/44308)5.527 標高に対する修正 |
|
|
Z は標高[m] |
|
mo: 海面における大気質量 |
太陽高度が低くなった時の大気の曲率の影響を考慮して以下の式を採用する。
mo = {sin h + 0.15(h + 3.885)-1.253}-1 式A-3
h
太陽高度 [度]
sin h = sin δ sin φ + cos δ cos φ cos t
t = (T- 12 + t1 + t2) π /12
t1 = (L -135)/15
δ
太陽赤緯 [rad]
φ
対象地点の緯度 [rad]
L
対象地点の経度 [度]
t1
対象地点経度に基づく時差 [時]
t2
均時差 [時]
T
標準時[東経135°基準]
B水平面天空日射量
日射が大気中の微粒子により散乱され、散乱された部分は天空全体からの輻射となって地上に達します。
これを天空日射と言います。
水平面天空日射量計算は、様々な理論式や実験式が提案されているが、次式が一般的に使われる場合が多い ようです。
Ish = Jn0 x sin h(1- Pcos ec h) x KSD 式B-1(永田の式)
KSD |
= (0.66-0.32sin h) x {0.5 + (0.4-0.3P) sin h} |
|
Ish |
水平面天空日射量 |
[MJ / m2h] |
Jn0 |
[MJ / m2h] |
|
P |
|
|
h |
|
大気透過率
日本の気象庁では、12時前後30分の間に太陽とその周辺に雲がなく安定している日に直達日射量を観測し大気透過率を計算している。 この値の統計は、理科年表に示されている。
(大気透過率[12時]の月別平年値) 時刻変化については、注<木村・滝沢両先生>が以下の式を提案している。
注:滝沢博:間欠空調熱負荷特性の理論研究、早稲田大学修士論文、1968-2
P |
= P0 + a(t - 12)2 |
|||
P : 大気透過率 | ||||
t : 時刻[時] | ||||
月 |
P0 |
P0【修正】 |
a |
|
1 |
0.800 |
0.76 |
0.0055 |
|
2 |
0.785 |
0.74 |
0.0050 |
|
3 |
0.740 |
0.71 |
0.0045 |
|
4 |
0.720 |
0.69 |
0.0040 |
|
5 |
0.695 |
0.69 |
0.0040 |
|
6 |
0.600 |
0.68 |
0.0040 |
|
7 |
0.620 |
0.67 |
0.0040 |
|
8 |
0.625 |
0.68 |
0.0045 |
|
9 |
0.700 |
0.71 |
0.0045 |
|
10 |
0.760 |
0.74 |
0.0045 |
|
11 |
0.785 |
0.75 |
0.0050 |
|
12 |
0.800 |
0.77 |
0.0055 |
この値を任意の地域に当てはめるには相当無理があるが、概算値として、あえて使用している。 ただし、P0の値は、理科年表の透過率【1971年~2000年】の地区平均を (po【修正】とし)使用している。
日本以外では、傾向として赤道に近い地域では、透過率が年間を通して小さくなり、赤道から離れると大きくなる傾向がある。
これは、大気中の水蒸気の量が影響していると思われる。
これらの値は、相当無理して当てはめているので、正確な値は、地域ごとの大気透過率を各国の気象データから入手して修正する必要がある。
C)傾斜面全天日射量
傾斜面透過熱量(傾斜面全天空日射量)=「傾斜面直達日射量」 + 「水平面天空日射量」
水平面天空輻射量は 先のB)項目参照
傾斜面直達日射量は次式で計算される。
IDi = IDn cos i 式C-1
IDi
傾斜面直達日射量
[MJ / m2h]
IDn
法線面直達日射量
[MJ / m2h]
i
日射入射角
[rad]
日射入射角の余弦 cos i は、次の式で算出できる。
cos i = sin h cos γ + cos h cos A sin γ cos α + cos h sin A sin γ sin α
h
[rad]
A
太陽方位角
[rad]
真南0、東側 負、西側 正
γ
斜面傾斜角
[rad]
水平0、垂直π/2
α
斜面法線の方位角
[rad]
真南0、東側 負、西側 正
球面三角法によりいろいろな公式的な関係が導かれる。
最終更新日:2020/02/04
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