パッケージエアコンと処理風量
パッケージエアコンの送風量範囲
空調機をパッケージエアコンで設計する際に、熱負荷だけで単純に選定していませんか?
ここにも落とし穴が待ち構えています。
マスプロダクションのこれらの機器は、対応できる送風量はよく使われる範囲で製作されています。熱負荷の大きい工場などでは思わぬ問題が起こります。 日本では高顕熱空調機などと、特殊なものが販売されていますが高価なものです。
もしこのチェックがなされないまま風量不足で使うと、いろいろとトラブルが発生してしまいます。
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吹き出し空気温度が下がりすぎ、ダクトや吹き出し口が結露を起こします。
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部屋内の温度がむらになり設計温度に満たない部分が出てきます。
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極端に風量不足ですと、空調機の冷却コイル面が凍結し、まったく冷却しなくなります。
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更に極端だと、冷媒の液バックが起こり、コンプレッサーを壊すこともあります。
空調機が並列に複数接続される時は、ポンプと同じで、合成風量が減り この様な問題が起こりやすくなります。
冷水式のAHUでは、カスタマイズした選定が出来ますが、汎用パッケージ型エアコンを使う時は必ず送風量を確認しなければなりません。
冷却コイルが直膨コイルのパッケージエアコンは、通過風量がある範囲内での運転が決めてあるため、過不足の風量で使用すると、思わぬ事故が起こる可能性があります。
Cooling Cap. | Air Flow (CMH) | Model (DAIKIN) | R.A Locastion | |||||
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(Kcal/h) | Min. | Max. | Model | HP | ||||
1 | 8200 | 1200 | 14.6% | 1980 | 24.1% | UC3J | 3HP | Front Louvre |
2 | 15000 | 2160 | 14.4% | 3840 | 25.6% | UC5J | 5HP | Front Louvre |
3 | 21500 | 3270 | 15.2% | 5760 | 26.8% | UC8J | 8HP | Front Louvre |
4 | 30000 | 4320 | 14.4% | 7680 | 25.6% | UC10J | 10HP | Front Louvre |
5 | 43500 | 5400 | 12.4% | 9900 | 22.8% | UC15J | 15HP | Front Louvre |
6 | 58000 | 7200 | 12.4% | 13200 | 22.8% | UC20J | 20HP | Front Louvre |
7 | 72500 | 9000 | 12.4% | 18000 | 24.8% | UC25J | 25HP | Back Flange |
8 | 87500 | 10800 | 12.3% | 21600 | 24.7% | UC30J | 30HP | Back Flange |
9 | 117000 | 14400 | 12.3% | 28800 | 24.6% | UC40J | 40HP | Back Flange |
10 | 128000 | 16800 | 13.1% | 32400 | 25.3% | UC50J | 50HP | Back Flange |
11 | 164000 | 21600 | 13.2% | 39600 | 24.1% | UC60J | 60HP | Back Flange |
12 | 209000 | 36720 | 17.6% | 51840 | 24.8% | UC80EHS | 80HP | Back Flamge |
13 | 260000 | 45900 | 17.7% | 64800 | 24.9% | UC100EHS | 100HP | Back Flange |
14 | 327000 | 51000 | 15.6% | 72000 | 22.0% | UC120EHS | 120HP | Back Flange |
DAIKIN工業のカタログよい抜粋しています。(旧型のモデルです)
Cooling Capは、標準状態での温度のときの容量です。
もし、パッケージエアコンの処理風量が不足している事が分かったら、上位機種の選定をするか、バイパス系統を追加し、循環風量を増量する方法があります。
上位機種を選定した場合、附随した冷却水・電気動力・設置コストが大幅に増えることもあります。従って、バイパスによる方法が適してると思います。
メーカーのカタログより、汎用機器の送風量範囲を表にして、確認するのが良いのですが、この一般的なデータをここで紹介している負荷計算プログラム (AutoAC) の機器選定部分で自動的にチェックするようにしたら、問題を早く発見できると思います。
まだ、プログラムに組み込みはしていませんが、追加するつもりです。 (02/07/03)
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