ポンプの並列運転

ポンプの並列運転の問題点


下の系統図で何かおかしなことがありませんか?

勿論間違いではありませんが、この系統図には多くの問題点が含まれています。
 

まず、以下の点を調べる必要があります。

主配管は共通の1本システムです、もうお分かりいただけたと思いますが、ポンプの1台運転と4台並列運転では性能曲線は大きく違います。

例えば、4台合計の最大循環水量が 4000 Lit/min で50mHの楊程が必要と仮定して、ポンプを選定する時どうするでしょうか。

4000÷4=1000 Lit/minで50mHのポンプを据え付けると事は重大です。(言いすぎかな?選定は正しいのですが制御方法が問題です)。

しかし、設計図には単純に 1000 Lit/min x 4台とあるかもしれません。

 

ここで、ポンプの合成曲線を描いてみれば一目瞭然ですが、合成水量が規定になるようにポンプを選定すると、1台運転の時の水量が極端に大きくなります。揚程が大きくなるほどに、また並列運転の台数が多くなるほどに、この傾向は顕著になります。

この問題を解決する方法はいろいろとありますが、高級な方法は、2次ポンプを追加し可変流量にするか、ポンプの出口に 定流量弁を追加する方法が考えられます。 定流量弁の価格は口径が大きくなると非常に高価ですし、水量を落としてもポンプ動力は下がりません。

 

私が10年前くらいにお目にかかったある工場のシステムで同じ事が起こりました。 設計は、ホンコンに本社のある大手の設計事務所の設計でした。

 

更に最悪だったのは、ポンプの容量が同じでなく、屋上の冷却塔のサイズが違い、容量制御のため台数制御したところ屋上の冷却塔より水がオーバーフローして水浸しになってしまいました。

 

オーバーフローの原因は、過大な水量に合わせて、冷却塔の下部水槽の水位がまちまちだったためです。最悪な設計と施工でした。

施工は、日系の設備大手でした。

しかし、設計事務所は、施工が悪いとかメンテが悪いといいはり、根本的な解決はされませんでした。

 

ポンプの販売代理店ですら、並列ポンプの合成曲線を作ってくれる会社は少ないのが現状です。

これよりヒントを得て、簡単なプログラムをいま製作中です。

 

代表的な渦巻きポンプの性能曲線を作り、並列運転の時の合成曲線を計算、台数制御した時の水量変化を算出し最適なポンプの

選定が出来るプログラムです。 これが出来れば、複数の並列運転の時の1台あたりの性能をシミュレーション出来ます。

しかし、いつ出来ることか?

 

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